連載第58回
「不安な個人、立ちすくむ国家」 経産省の若手プロジェクトの
提言

 今年の5月に経済産業省事務次官のプロジェクトチームによる「不安な個人、立ちすくむ国家」と題した提言が話題を呼んでいる。省内で公募した20代〜30代による提言は、「昭和の標準モデル」である既存の制度や価値観からの脱却・転換を求めている。社会保障制度の支出に踏み込んだ内容だ。 提言は65ページあり、前提となるのは昭和の人生設計は崩れているということ、人生は100年時代に入り、非正規社員、非婚者が増えている中で、現在もなお、制度も価値観も変わらないと指摘している。高齢者世代に比べて、母子家庭、現役世代に対する支出は極端に少ないと、貧困の連鎖に警鐘を鳴らしている。

 国として個々の人生設計が多様になっている中で、「共通の目標」を示すことが難しく、GDPだけでは幸福は測れないこと、国として個人の選択を支援する柔軟な制度設計が求められるのでは、と、既得権や固定化した社会保障制度含めた縛りを大胆に外すように求めている。

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