外出時庭先での転倒事故

性別

男性

年齢

82歳

住居形態

一戸建て

 

【当人の状況】

配偶者と2人暮らし、認知症はなく、日常生活動作にも問題なし

【事故の状況】

寒い冬の日の朝、Aさんが手紙の返事を投函しようと郵便局へ向かうべく、玄関を出たところでコンクリの通路のうえで滑って転倒し、尾てい骨を骨折し、併せてかばって着いた手首を捻挫しました。当日は郵便ポストが近かったこともありサンダル履きでした。また、前夜雨模様だったこともあり、下がツルツルに滑る状態でした。

【知恵と工夫】

・まず、冬の外出時には仮に雨が降らなくても霜による路面凍結を想定しておきましょう。
 そう考えれば、サンダル履きでの外出はとても危ういものと理解できるはずです。
 「ちょっとそこまで」という気持ちがサンダルを選ばせてしまいがちですが、「転倒→寝たきり」の怖さを意識しましょう。これは意識改革が必要ですね。


・また、雨の日に「ゴム長」なら安心と考えがちですが、一般的なゴム長は凍結路面では意外に滑りやすいものです。(雪には強いのですが)  ゴム長を履くなら、「滑り止めのついたもの」をそろえておきたい
ものです。


・雨の日や路面凍結等の悪条件でなくても、外出時には「滑りにくい靴」を履く習慣を身に着けたいものです。「滑りにくい靴」は数千円程度で購入することができます。「寝たきり」がかかっていると思えば決して高い買い物ではありません。


・道具だけに頼るのではなく、転倒し難い体を作ることも大切です。「筋トレ」などをしなくても、転倒し難いための体操や筋肉を鍛える方法は多くの書籍になっていますし、最近ではテレビの健康番組でも、盛んに取り上げられています。全部をできなくても、自分にも無理なく続けられそうな体操などを習慣化したいものです。


・さらに、盲点なのは、視力が落ちていたり、乱視になっていたり、白内障になっていたなどでも、転倒の原因になります。一度眼科で見てもらうと良いでしょう。視力検査で、メガネを外した方が良く見えた (メガネが合わなくなっていた) という例も少なくありません。

(監修:イーケアサポート 榎本三千雄  PT志垣健一朗)