
自転車搭乗中の事故
【当人の状況】
配偶者ともに健常、息子夫婦と同居(5人暮らし)
【事故の状況】
Aさんはゲートボールの練習に自転車で向かう途中、広めの歩道を走っていたのですが、対抗から自転車が来たため端によって通り過ぎようとしました。すれ違いざまに肩がぶつかり、お互いがよろけてしまい、Aさんだけが転倒し、足腰を打撲しました。その場では「お互いさま」ということでそのまま別れましたが、痛みが引くまではかなりな日数を
要しました。
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【知恵と工夫】
・まずは、自転車事故のリスクを軽視しないことが重要です。転倒事故で、頭を道路に打ち付けて
死亡事故に至ったり、体に麻痺が残る例は決して少なくありません。
・自動車の運転と同様に自転車操作においても反応速度は思った以上に鈍くなっています。
自動車免許返納の次には自転車にも乗らないという選択肢があってもおかしくありません。
・距離の問題もありますが、なるべく歩くことを心がけましょう。事故予防と健康づくりが同時に図れ
ます。
・このケースの場合は自身の怪我でしたが、自転車事故の加害者になるリスクを知っておいてほしい
ものです。
高額な賠償事例としては、坂の下り際に歩行者と正面衝突して寝たきり状態にしてしまい、9500万円もの賠償命令が出たケースがあります。(自己破産した例もあります)
・加害事故に対する備えとしては「個人賠償責任保険」「自転車保険」などがあります。 以下に少し解説します。
◆「個人賠償責任保険(特約)」とは
日常生活で家族以外の第三者である他人にケガを負わせたり、他人の物を壊してしまったなど、法律上の賠償責任を負ってしまったときに、損害賠償金や訴訟になった場合の弁護士の費用、訴訟費用等を含め保険金が支払われる保険です。
○特徴・利点
保険契約者本人の加害事故だけでなく、その他にも補償範囲は広くあります。
例えば、「飼い犬が他人にかみついた」 「洗濯機のホースが外れて下の階のお宅の家財を水浸しにしてしまった」などです。
本人(契約者)だけでなく同居の親族が自動的に補償範囲に入ります。
○保険料・保険金額
保険会社によりまちまちですが、保険料は年間数千円程度です。保険金額は2千万〜1億円が一般的です。万一を考えて保険金額1億円の特約を選択することをお勧めします。
通販会社やカード会社の場合、月額2〜400円程度で加入できます。
○加入方法
保険会社各社により保険金額や加入手続きは異なりますが、多くは火災保険や自動車保険に特約として付けることが一般的です。「個人賠償責任保険」単品で引き受けている会社の方が少ないと思われます。保険会社の特約以外には、カード会社(信販会社)で加入する。インターネット通販(保険)会社
で加入する方法もあります。PCやスマホの時代なので、比較的簡単に手続きができるはずです。
★加入しているか確認を!(知らぬ間に加入しているケースは多くあります。)
わざわざあらためて加入しなくても知らずに加入しているケースは多くあります。一番多いのは保険の「特約」として付帯されているケースです。
火災保険や自動車保険の保険金の欄を探してみると「個人賠償責任」とあって、保険金額と保険料が記されていれば加入していることになります。保険証券の下の方の欄か欄外に記されていることが多いと思われます。それでも分らなければ加入している代理店に確認をしましょう。
また、信販会社のカード(主にゴールドカード)などにも自動付帯されているケースもありますので、確認してみてください。
高年齢の場合、単品商品では入れないこともあるので、火災保険(家財保険)を掛けておいてそこに「個人賠償責任特約」を付ける手立てを知っておくと良いでしょう。
(監修:イーケアサポート 榎本三千雄 PT志垣健一朗)

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