玄関先での転倒・火傷事故

性別

男性

年齢

78歳

住居形態

一戸建て

 

【事故の状況】

夫婦二人暮らし
健康状態…健常

【事故の状況】

自治会のお祭りの日、煮物担当のAさんは大きな鍋で煮物をつくり、近所の集会室に持って行こうと玄関を出ました。全3段の緩やかな階段(段差)でしたが、雨上がりで濡れていたタイルに足を取られて転倒しました。その際に鍋を守ろうとしたため、鍋からこぼれた汁で腕と手と腹部にやけどを負いました。幸い骨折等はありませんでした。
当日はサンダル履きで出るところでした。

【知恵と工夫】

・両手が塞がる時にサンダル履きは避けましょう。「ちょっとそこまでだから」が事故のもとです。

・玄関素材にタイルが使われるケースはありますが、タイルは滑りやすい素材です。
 おなじタイルでも滑り止めを施したタイルに代えることも検討すべきです。
 また、天然石(一般的なケースでその都度確認が必要です)やレンガは滑りにくい方の素材です。
 あるいは滑り止めマットを引くなども簡易な方法としてはあります。

・加齢とともに身体機能が低下しますので、段差解消工事をするかスロープを設置するなども有効な転倒予防策です。介護認定を受けていれば段差解消スロープは介護保険給付対象の福祉
用具となります。

・咄嗟の時に、人は持っているものをかばう傾向がありますが、「体第一」と自らを意識して、鍋を放りだしても、自らを守る心の準備をしたいものです。

・さらには、要介護状態になった場合、玄関から庭へ降りる経路に沿って、手すりを設置すると、安全に庭に降りることができます。 家に閉じこもりがちだった方がスロープをつたって庭へ出られるようになってから、機能向上がはかれて、介助付きで散歩までできるようになったケースもあります。

(監修:PT志垣健一朗)