
外出時の事故
【当人の状況】
夫婦ともに健常で二人暮らし
【事故の状況】
Aさんは役所に行くために最寄りの駅に向かった。駅に入る前のところで、駐輪場から はみ出ていたバギー(いわゆる乳母車)に足をとられて転倒。頭部と肩を打撲した。肩の痛みが 残ったため、整形外科を受診した。ところが、1か月ほど後に片方の手足に不自由を感じて、 病院を受診。精密検査を受けたところ、慢性硬膜下血腫と診断された。(3週間以上かかって じわじわ出血し血腫ができたということだった。)
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【知恵と工夫】
・一歩外へ出たら、「段差の連続」と心がけて歩行する習慣を身に着けたいものです。
また、段差ではありませんが、見かけは綺麗でも「滑りやすいタイル・材料」も街には、思いのほか多く採用されています。特に雨の日は滑りやすくなりますし、雪の日はなおさらです。
・強風の日、駅の近くの駐輪場のそばをと通る時は、風で自転車が倒れてくるなどのリスクにも 備えましょう。そういう意識があるかないかが、事故に会うかどうかの分かれ目にもなります。
・外出時の怪我は、サンダル履きのケースが圧倒的に多いので、必ず靴を履いて外出しましょう。
(できれば滑りにくいタイプのものがおすすめです。)
サンダル履きでの転倒が多い理由は、どうしても足を引きずるように歩くからです。
健康づくりのためにも、正しい歩き方を身に着けたいものです。
・外出が怖いと言って外出を控えるのは、それこそ本末転倒です。長い目で見れば、外出して足腰を鍛えてあげることは転倒予防になります。また外出できなくても、室内での簡単な運動や その場での足踏みなども有効です。
・本例にあるように、頭部を打撲した場合には、外傷が無くても医療機関を受診して、できればCTなどを撮ってもらうことをお勧めします。また、慢性硬膜下血腫なとのように、その場の 検査ではわかりにくい場合もありますので、時間を空けて再検査を受けるなど、自分の身は自ら守る心がけが必要です。
(監修:PT 志垣健一朗)

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