階段での落下事故

性別

男性

年齢

72歳

住居形態

一戸建て

 

【当人の状況】

夫婦ともに健常、娘夫婦と同居5人世帯、自分たちは2階に居住

【事故の状況】

Aさんは朝起きてトイレに行くために階段を下りて行きました。その際、あと3段くらいのところで足を踏み外して、尻もちをつきながら下へ滑り落ちました。その時に咄嗟に着いた手首と踏み外した足を捻挫しました。(もし、階段のもっと上であったら大けがになるところでした。)

【知恵と工夫】

・階段での転倒事故は死亡事故も含めて決して少なくありません。
 まず、環境をできる限り安全にすることを工夫しましょう。


 −階段に手すりを取り付ける
  *この際に大切なのは大工さんにお任せして付けるのではなく、理学療法士や住宅改修の 専門家に依頼して、位置や高さを調整すべきです。

 −夏場は裸足、冬場は「滑り止めのついた靴下」を履くなどします。
  あるいは和室以外は転倒防止用の室内履きを履くようにします。

 −階段のふちに傾向テープを貼って目立つようにします。特に夜間は有効です。
  階段だけでなく、ちょっとした段差にも貼っておきたいものです。

 −費用は掛かりますが、トイレを2階にも設置する、可能であれば階段の傾斜を緩くするなどの住宅改修も検討に値します。

・朝一で動き出す時は、覚醒していないこともあるので、布団の中で「手もみや足もみ、手足をこすり合わせる」などして、徐々に体を起こすようにしましょう。これらは冬場の血圧対策にも 有効です。


・二世帯住宅の場合、高齢者は1階へ というのがお決まりのようです。本件事故の対策も「1階に移る」という対策もありえます。ただし、日常生活動作に問題が無い場合は、2階と1階の 階段の上り下りが良い運動になることもありますので、1階と決めつける必要はないと思われます。ケースバイケーズで考えましょう。

 (監修:PT 志垣健一朗)