※あいマックスメンタルヘルス研究センター発行『お年寄りのこころ学』より

お年寄りのこころ、そのメカニズム

お年寄りのこころって、若い世代と大きく異なるのですか?

 

「うちの親、年をとってしまって体の具合が悪いみたい。なんだか気弱になっているよう・・・」。こんな風に心配したり、不安になったりしていませんか。
 若い世代と比較してお年寄りのこころは否定的にとらえられることが多いようです。
 これは「もう年だから・・・」と、どちらかというと悪いことのように表現することにもみられます。人生を登山に例えると、下山途中という風に考えられがちです。
 でも、本当に、年を重ねるって、山を下っていくことなのでしょうか。
 確かに、加齢により衰える領域もあるでしょう。視力や聴力は衰えていきますし、腰も曲がっているかもしれません。けれども、「人」を形づくっているのは、姿形(すがたかたち)から見える部分だけではありません。
 まず、お年寄りは人生の下り坂にいる、という発想を振り捨ててみてください。
 そして、自然体でお年寄りと接してみましょう。それがお年寄りのこころを知る第一歩です。
 普段の生活で、お年寄りの言動にいらいらすることがあります。「呆(ぼ)けたんじゃない?」「何、やってるのよ」・・・と。でもその一方で、子育てに悩んだり、生活に疲れたりしたときに、お年寄りのやさしい思いやりのあるひと言にほっと胸をなで下ろすような経験をしたこと、ありませんか。
 お年寄りは70年、80年・・100年・・と長い人生経験を積んでこられました。
 その間には、楽しい時間ばかりでなく、身内や友人、知人などとの死別など悲しい体験もいっぱいしています。さまざまな経験を通して、自然に人との関係を円滑にすることができるなど、若い世代よりも優れた能力を身につけていることも少なくないのです。
 人はその生を終えるまで、人間としての発達を続けます。年をとるということは、幼児期からおとなへと発達していくことと何ら変わらないことなのです。
 お年寄りのこころを下山途中ととらえるのではなく、若い世代と同じように山登りのまっ最中にいる、という風に発想を転換してみませんか。
 
チェック
代表的なお年寄りのこころの発達例です

  • 子どもからおとなまでの役割を、「家族」というシステムの中で経験しているので、家族のつながりを大切にするなど「家族の機能」について知識が高まる
  • ちょっとした感情を抑制する能力や、過去の経験をもとにして、上手に人とお付き合いができる能力が高まる

男性、女性の役割にとらわれずに活動を楽しむ能力が高まる(ex;男性が小さな子供をあやしたり遊んだりする、など)


お年寄りのこころって、若い世代と大きく異なるのですか? 心配しないで−正常なこころの変化−

こころの「危険信号」を見逃さないで

身近な人に先立たれる気持ちって?